国産木材を、伐る・使う・植える・育てる。
従来、⽊造分譲住宅における、国産⽊材の使⽤割合は低く、そのほとんどを海外からの輸⼊⽊材に頼っています。⽊造分譲住宅において、この国産⽊材の利⽤を促進する ことは、伐期を迎えた⽊々を伐採し、そこに新たに植林を⾏うことによって⼭の若返 りを図り、国内の森林が持つ多⾯的機能(温室効果ガス削減、⽔源涵養及び⽣物多様 性の保全)の維持回復につながります。
この目的を達成するために、大きく3つの活動に取り組んでいきます。
森林資源の循環
戦後から植え、育てた森林から収穫(伐採)し、建築用材等として利用し、その跡地にまた植林を行い、育てる。この「伐る・使う・植える・育てる」というサイクル( 森林資源の循環利用)を実現することで、適切な森林整備が確保されるとともに、森林の有する多面的機能が持続的に発揮されます。
建築用材等として木材を利用することは、快適で健康的な住環境等の形成に寄与するだけでなく、森林という再生可能な資源の有効利用であるとともに、木質ボード等としての再利用や最終段階での燃料としての利用(カスケード利用)も可能とする。また、木材は住宅や家具等に利用されることで、炭素を貯蔵する「第2の森林」としての役割を果たし、さらに、エネルギーを多く消費して製造された資材や化石燃料の代わりに利用されることで、二酸化炭素の排出を抑制することから、地球温暖化の防止にも貢献する。
出典:「平成26年度森林及び林業の動向」(林野庁)、P8-9
国産材の新流通モデルの構築
外国産材がメインとなっている中で、国産材の流通が減り、生産量も多くないことから単価が自然と上がっていきます。加えて、切り出してから建築会社の手元に届くまでの流通ルートが非常に複雑かつ多く、その部分においてもコストが高くなってしまっている原因の一つと考えられています。
そこで、森林所有者や製材工場等、必要最低限の業者に直接取り引きや業務提携を行うことで(ある一定の流通を担保することで)、山や工場にとっても需要が見越しやすく、国産材の安定コストと安定供給が可能ではないかと考えました。
このような独自の流通システムを各企業も倣い行うことで、コストの安定化、ひいては各地の分譲住宅会社が国産材を安定的に使用できる流通環境の確立を目指します。
植林・育林活動
提携先集成材・製材工場のデータをもとに、使用した国産材の材積を丸太に換算し、翌年度にその本数分の植林を行います。植林先となる山や樹種は森林組合や自治体と協議しながら詰めていく予定ですが、実効性の高い取り組みになります。
林業に携わる人材の育成支援
どこの地域も伐採職人に頭を抱え、国産丸太の生産量を上げたくても上げられない状況にあります。 こうした問題も解決すべく、北関東・東北を中心に森林組合・連合会とのコミュニケーションをはかり、林業に関わる人材を育てたり、伐採した丸太を自前の工場で加工して国産材の生産量・使用量を上げる活動を計画しています。